【コラム】ベトナムの現地採用で成功する人の共通点 〔2016年5月〕

今回はベトナムで働く現地採用の日本人で、成功する人の共通点について。

まず、現地での雇用形態は「駐在員」と「現地採用」の2パターンあり、一般的には日本本社で入社して海外に出向するのが「駐在員」、現地法人と直接雇用契約を結ぶのが俗にいう「現地採用」です。

日本本社からの駐在員は日本での雇用関係も継続しており、ベトナムと日本国内双方で給与が発生したり、基本的に日本の社会保障が受けられます。また数年単位で交代し、現地法人の代表者クラス、または幹部クラスが多いのも特徴です。

現地採用は日本法人での籍はなく、現地法人の社員となるため基本的に現地の社員と同じ待遇です。
給与こそ外国人価格となり、現地で生活するには十分な金額で契約されますが駐在員と比べると供与・待遇面どちらも低くなります。

この2つのポジションに「埋まらない溝」があるのは有名な話です。
同じ日本人であっても待遇が異なり、またローカルスタッフからも異なる見られ方をされます。

しかし、うまくいっている人達が存在していることも事実です。

相性もありますし、環境次第で変わってくるものだと思いますが、少し話をしただけで「この人は現地採用で成功しそうだな。」と分かる方もいます。
100%的中するわけではありませんが、長く住んで働いていると感じるものがあります。

角度を変えて「どうすれば成功するか?」といった点でお話をさせて頂くことができます。

一例ですが、以下3点紹介します。

成功する人の共通点

・周りに協力者を作れる
特に、日本人よりも現地人とのコミュニケーションがしっかりとれているかが非常に大切です。
そつなく仕事をこなしているように見える人も、実は人間関係の構築が上手だったりします。
周りの協力を得て成果を挙げることができ結果的に駐在員からも頼られることになり、必要な人材として認められていくのです。
その他私生活でも助けてもらえるような間柄ができているのがベストです。

・駐在員と比較をしない
ここまで言うと求めすぎと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、大半の日系企業では数少ない日本人で多くのローカルスタッフを管理している状況です。多くのローカルスタッフ管理は、上層部の日本人が一枚岩になっていることが絶対条件だと考えています。
現地採用であっても殆どのケースでローカルマネージャーの、倍以上の給与条件で雇われており、そこを自覚している方は能動的に動ける人です。
そうでない方は、やたら駐在者と比較をしたがります。
「この仕事は聞いていなかったのでできない。」「この仕事は現地採用の仕事ではない。」などなど。

・日本のマナーやルールに固執しない
「日本だとああだ、こうだ」とやたらと振りかざしてしまうのはトラブルのもととなります。
仕事以外のことでレストランでの接客や、交通ルール、住宅事情、その他不便なことに対して不満が多い人などは、現地採用は不向きです。
私見ですが、ベトナムは日本と比べ不便なことだらけですが、不便だからこそ気づく大切なこともたくさんあり、当たり前だと思っていたことに改めて感謝できたりします。
現地採用は駐在者と違い自分で望んでベトナムに来ているといのが前提なので、「文句があるなら去れ!」という結果になります。
(※仕事上では丁寧で親身な日本人的な対応が必要になる場合が多いです!)

以上のように、仕事の内容やスキルよりも、環境に順応できるかどうかが大切だと思います。

現地採用の日本人は、日本人代表者よりもローカル社員を身近で感じれるため、よりローカル社員を扱いやすい立ち位置です。またローカル社員からも同じ目線で見られるケースが多いにもかかわらず高いポジションで就業することが多く、中間管理職としての機能を期待されます。日本人の上司とローカルスタッフとの板挟み状態でうまくやるようになるのは価値あるスキル・経験を得ることになります。

是非、「現地採用」の本質を見極める材料として役立てて頂き、自身の適正と照らし合わせて頂きたい。

 

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