ベトナムの最低賃金の推移について〔2017年7月〕
2017年1日1日から全国の最低賃金が引き上げられました。
上昇率は7.1~7.5%となり、過去10年で最小の伸び幅に落ち着きました。
(出所)2016年11月14日公布、新法令153/2016/ND-CP
2016年(※1VND=0.0054JPY) 2017年(※1VND=0.0048JPY)
◇第1地域:350万VND(約1万8700円) → 375万VND(約1万8000円) +7.1%増
◇第2地域:310万VND(約1万6600円) → 332万VND(約1万5940円) +7.1%増
◇第3地域:270万VND(約1万4400円) → 290万VND(約1万3920円) +7.4%増
◇第4地域:240万VND(約1万2800円) → 258万VND(約1万2380円) +7.5%増
第1地域はハノイ市、ハイフォン市、ホーチミン市などの都市部。
第2地域はダナン市、フエ市など中部及び北部・南部の都市部郊外。
第3地域はハナム省などの新興地方都市。
第4地域は主に農村部。
※日本円換算は法令公布当時のベトコンバンクSellレートを使用しています。
ここ数年続いてきた2桁の上昇率が落ち着いたのは、物価上昇(インフレ)が抑えられている事も一因と考えられます。
年度 | 消費者物価指数(CPI) |
2014 | 4.09% |
2015 | 0.6% |
2016 | 2.67% |
2017(4月時点の推計) | 4.87% |
(出所)IMF_World Economic Outlook database
しかしながら、最低賃金上昇率が物価上昇を上回っている状況が続いており、毎年のベースアップが
高すぎると感じている企業も多いようです。一方、給与水準の上昇に伴う消費拡大に期待を寄せる声もあります。
2014年当時、政府は2018年までに最低賃金を第一地域で400万ドンまで引き上げる目標を掲げていました。
それが実現するかは今年11月の新法令公布で明らかになります。
(参考)JETROビジネスニュース、日本経済新聞