ベトナムの労働許可書(ワークパーミット)の取得方法 〔2017年12月〕
ベトナムの労働許可書(ワークパーミット)の取得方法 ※2017年度現在
■労働許可書の基礎知識
労働許可書(ワークパーミット)とは、外国人の就労を認める公的な許可書です。
基本的にベトナムで働くすべての外国人に取得義務があります。(免除対象者を除く)
ベトナムの市・省の労働傷病兵社会事業局、または工業団地・輸出加工区・ハイテクパーク・経済特区の管理委員会より発給されます。
労働許可書を取得せずにベトナムで働いた場合、不法就労者として国外追放(強制送還)されます。
残念ながら雇用主が取得を渋る場合もありますので、面接の段階でしっかり確認する事をおススメします。
ベトナムの法律で外国人労働者は原則、ベトナム入国前に労働許可書を取得することになっています。
しかし実際には、申請から取得まで時間が掛り過ぎるため入国後に申請するケースが多いです。
現在のところ、労働許可書の取得時期について調査されたというケースはないようです。
■労働許可書の取得方法(現地採用としてベトナムで働く場合)
ベトナムが外国人に発給する労働許可書は以下の3種類です。
種類 | 対象者 |
管理職・CEO | A企業法の規定に基づく企業を管理する者、または機関・組織のトップ、またはその者より委任を受けた者。
B機関・組織・企業の部門のトップで直接管理を行う者。 A,Bいずれかに該当する者 |
専門家 | A着任後の職務を専攻分野とする大学での学位を取得しており、当該分野で 3 年以上の勤務経歴を有する者。
B外国の機関・企業・組織が発行した専門家としての証明書を有する者。 A,Bいずれかに該当する者 |
技術者 | 当該分野または他分野で3年以上の勤務経歴があり、外国企業で1年以上のトレーニ ングを受けた者 |
ベトナム人の雇用を守るため、安価な外国人労働者の採用は年々規制が厳しくなっています。
日本人も例外では無く、雇用される為に特別なスキル・経験があることを求められます。
取得に必要な書類は以下となります。
1) 労働許可書申請書
2) 健康診断書(ベトナム国内で取得するのが好ましい)
3) 雇用企業の情報(投資登録証明書、企業登録証明書、駐在員事務所の設立許可書のいずれか)
4) 顔写真2枚(4×6cm)
5) パスポート
6) 管理者・CEO/専門家/技術者の証明書(※1)
7) 日本での犯罪経歴証明書
(ベトナム入国の経験者はベトナムの無犯罪証明書も必要。目安は6か月以上滞在者)
8) 労働契約書
9) 人民委員会からの外国人労働者の使用・採用の承諾証明書
10)料金 各市・省により異なる(参考:ハノイ市400,000VND)
※1 この証明書には既定のフォーマットが無く、各市・省で判断が異なる難しい項目です。
比較的対象者の定義が広い「管理者・CEO」で申請する場合は、ベトナムで行う仕事の経験が日本で豊富、かつマネジメント経験もあることを証明する書類が有効です。
例)ベトナムで営業マネージャーとして勤務する場合
→日本で営業職の経験が3~5年あり、役職 (係長、課長、部長など)付だったことを
証明する書類。
※この書類は私文書になるので、公証役場と法務局での証明作業、および外務省での認証作業が必要です。
(東京・横浜・大阪の公証役場では法務局と外務省印も同時に取得できる「ワンストップサービス」が受けられます。
上記を管轄機関に提出し申請します。
書類不備が無い場合、最短で1ヶ月~1か月半後に発給されます
労働許可書に関しては毎年のように法改正があるため、運用ルールが各市・省の役場まで浸透するのに時間が掛ります。
窓口で対応してくれる人によって言う事ことが違う、という事態が多発しています。
就業先が決まっても、労働許可書を取得しなければ正規で働くことが叶いません。
転職エージェントを選ぶ際も、労働許可書の取得まで責任を持って対応してくれる会社を選びましょう。