ベトナム人の離職事情

皆さんこんにちは。ベトナムの旧正月まであと1か月ほどにせまっており、街でも旧正月向けの商品を売り出す風景がチラホラ見え出してきました。本日はベトナム人の離職事情についてお話します。

 

旧正月が明けると人材の移動が活発になるのは、ベトナムにある程度いらっしゃる方でしたらよく知られているところです。しかし先日話をした、あるベトナム人の話によると少しかつてとは違った傾向が出始めているとのことです。その方は今年で40歳になるべトナムローカル企業の人事部長なのですが、スタッフの退職理由が少し変わり始めているとのことです。

その方曰く、以前は退職理由に「田舎で家族のそばで暮らす」というのが多かったようですが、10年程前と比べてその退職理由が減ってきているとのことです。推測するにかつてと比べて大学卒業者が増えてホワイトカラー職需要が増えたことにより、田舎に帰っても十分な給料の仕事がないと考える人が増えたからではないかと仰っていました。

またホワイトカラー職に就くような家柄では田舎の家族も自分の子どもがそういった仕事で立身出世することを望んでいるため、むしろ田舎帰りを望まない家庭もでてきているようです。最近の都会を中心としたマンションの建設ラッシュもそういった核家族が進んでいることを象徴していると仰っていました。正に昔の日本のような感じでしょうか。

 

因みに工場などで働くワーカーに関しては依然田舎に帰るという理由の退職者も多いようで、その辺りはホワイトカラーとブルーカラーの退職理由に差が見られるらしいです。

ただ転職社会というのは依然変わらないようで、より良い待遇の会社に移りやすいというのは今後も続くだろうとのことです。ベトナム人の中でも一般的にある程度のスキル向上を求める多くの人は、20代はより良い就職口を得るための経験の時期と考えており、ある程度企業から必要とされる安定したポジションを30代で確立できればいいと考えるらしいです。

 

転職の回数が多いことにあまり良い印象がない日本とは対照的に、ベトナムでは転職回数が多いことは様々な企業から採用される実力があるという解釈になるようで、その傾向が転職に対する意識のハードルを下げているとも仰っていました。

 

こういった事情から人材の定着というのはある意味ずっと向き合っていかなければならない課題なのかもしれません。

 

 

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