道路工事から見えること

最近市内の道を車で走っていると道路の拡張工事をしている場面によく出くわします。昔からある道路は今のように車が頻繁に走ることを想定して作られていませんから、道幅が狭くて対向車がギリギリですれ違える程度の幅しかない道路もたくさんあります。しかし近年の自動車利用の増加に伴い、こういった道路は交通渋滞の原因となっています。なので国を挙げて道路を拡張していき、こういった交通問題を解消しているところです。

 

道路幅拡張のため道沿いの住宅を撤去している

そこで一つ気になるのは道路のわきに並んでいる住宅の存在。道路を拡張するためにはその脇の建物をどかす必要があるわけですから、住民に立ち退いてもらわなければなりません。どういった流れで行われているのでしょうか?そこで知人のベトナム人に聞いてみました。

 

その知人曰く、道路沿いの道は所謂居住エリアとして区分されておらず、いついかなる理由で立ち退きの可能性があるということは了承した上で住んでいるということらしいです。(言われてみればベトナムは住居エリアとしての指定区域が日本以上にはっきりしている気がします。)

なので国から都市計画のために立ち退きの要請が出た場合は、それに従う必要があるとのこと。ここで改めてベトナムでの土地に対する考え方を知っておく必要があります。ベトナムは個人で土地を所有することは認められていません。あくまで土地は国のもので、人民はお金を払って国から土地を借りる権利を買うという考え方になります。(2018年現在ではその権利は50年。更新も可)なので極端な話、貸す側(国)の裁量でその土地はどうとでもできるという少し恐い話でもあります。

 

もちろん移動に伴う費用はおおむね国が負担してくれるそうですが、100%とはいかないらしいです。その場所で商売などをやっている人からしたら、新しい場所でもう一度やり直す必要があるでしょうし、喜んで立ち退く人ばかりではないでしょう。

近年建設の進む新興住宅エリア

街がきれいになって新しく、またより快適に生まれ変わることは私にとってありがたいことですが、その都市化の影響を受けた人々の背景を垣間見た気がします。

 

 

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