ベトナムの日本行き留学制度について②

さて、前回のブログでは日本へ向かう留学生の事情、留学生を送り出すベトナム側の業者の話を紹介しましたが、今回はその留学生を受け入れる日本側の話を紹介します。まずは留学生を受け入れる日本語学校で働く日本語教師の方のお話です。

 

・最近ベトナム人の留学生は増えた?

「ご存知の通りかなりの勢いで増えています。一昔前は教室の生徒がほとんど中国人というクラスもありましたが、今はそれがベトナム人にとって代わったという学校も珍しくありませんよ。」

 

・実際ベトナム人留学生の日本語力はどう?

「人に寄りけりですけど、昔と比べて落ちてる感は否めませんね。立場上申し上げれない事情もありますが、クラスにベトナム人留学生の数が増えたことも少なからず原因があると考えています。クラスに同じ国籍の方が少ないと共通語は日本語になりますから使用頻度も多くなりますが、今は教室の大半がベトナム人という学校も多いですし…ベトナム人同士で日本語で会話するなんていうことはほとんどないですからね。」

 

・留学生のアルバイトについてどう思う?

「まずアルバイトをしなければ学費はもちろん生活もままならないので、仕方がないと思います。アジアからの留学生で学業だけに専念できるのはよほど恵まれている方ですから。」

 

・日本語学校が違法就労の隠れ蓑になっているという言われ方については?

「初めからそれ目的で設立した日本語学校と、結果的にそうなってしまっている日本語学校は区別されるべきだと考えています。やってることは同じと言われるとそこまでですが、前者は一部の経営者の金儲けのため、後者は自分の学校の社員や生徒を守るためにやむを得ずという事情もありますので、現場にいる身としては一緒の扱いを受けるのは心外です。」

 

・実際に現場で大変なことは?

「まぁ…これも学校に寄りけりですけど担任を持っている先生はそのクラスの生徒の出席率っていうのが勤務評価上とても重要なんですよね。なんで深夜までアルバイトをして朝授業に出てこない生徒に対しては家まで呼びにいくこともあります。日本語を教えることに割く時間より、そういった関係の仕事のほうが多いので大変ですね。それでもこの仕事そのものに誇りをもって働いています。」

 

 

 

続いて留学生を雇っている飲食店(食堂)の店長の話です。

 

・いつから留学生を雇っている?

「10年ぐらい前からだったかな。もともと日本人大学生のアルバイトをよく雇っていたんだけど、集まりが悪いしいい加減なのも多かったんだ。で、たまたま日本語の上手い中国人留学生のアルバイトを雇ってみたら大当たりでね。最初は外国人だからって目があったけど、今では外国人留学生だよりになってるよ(笑)」

 

・留学生の違法就労についてはどう思う?

「あの週28時間までしか働いたらいけないってやつだろ?私の店みたいに小さいところや、留学生自身にとっても酷な制度だよね。留学は学業がメインだからって理屈なんだろうけど、実際その就労時間範囲内で日本での費用を全部賄えるわけないじゃないか。」

 

・日本人と外国人で働きの違いを感じるか?

「日本人でも真面目不真面目があるからどっちがいいとか言うつもりはないね。別に外国人だからってうちは日本人より特別時給を安くして雇うとかでもないしね。そもそも人手不足なんだから真面目にしっかり働いてくれるんだったらどこの国の人でも構わないよ。」

 

・これからの外国人就労について期待したいことは

「やっぱり単純労働も含めて規制を緩和してほしいね。外国人が増えると治安に問題がでるとか日本人の雇用機会が奪われるとか言ってるみたいだけど、実際人手不足とか今の仕事に困ってない連中が行ってる話にしか聞こえないね。私も含めて多くの企業は人手不足に悩んでる。仕事はあるのに人手がないから回せない会社もたくさんあるんだ。もちろん外国人の労働力搾取には反対だけどさ。」

 

 

いかがでしょうか。昔から日本は単一民族社会で多様性に乏しい社会と言われてきましたが、ミクロのレベルでその多様性を受け入れてほしいという声が着実に増えてきています。今回は留学生のアルバイトというところが焦点になりましたが、現在既に日本の様々な分野が外国人の労働力によって支えられているという事実を知っておくべきだと思います。

 

 

 

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