ワールドカップに悲喜こもごも
日本では日増しにワールドカップが盛り上がってきていますでしょうか。ベトナムでも出場こそしていませんが、結構な盛り上がりを見せており、さすがサッカー好きの国だと実感させられています。今大会は日本の躍進や強豪国の予選敗退など予想外の結果が多く出ていますが、それも国際大会の醍醐味といったところですよね。
ところで、ベトナムではそんな予想外のワールドカップの結果に全然笑えない人たちがいることをご存知でしょうか?本日はそんな人たちのことをご紹介します。
ワールドカップの期間中に大繁盛している店があります。それは質屋です。ベトナム語で「cầm đồ」と呼ばれる質屋は現在でも広く普及しており、バイクやスマートフォンなどを担保に現金を借り入れするシステムです(利用者の8割は男性)。大学の近くなどでは学生向けの質屋が軒を連ねていたりしますから、日本人からしたら少し異様な光景ですよね。
で、なぜ今その質屋が繁盛しているかというと、ワールドカップの勝敗を賭けたギャンブルが行われているからです。もちろん公的なものではなく個人間でされているものですが、組織だったものになると警察に摘発されているニュースもよく出ています。強豪国の試合になるとそこで一気に大金を賭けて利益を出そうとしますが、そこで大負けした人達が質屋にお金を借りにいくわけです。(前回王者のドイツ戦ではどれだけのお金が宙を舞ったのでしょうか。。。)結局質屋から借りたお金をまたギャンブルで取り戻そうとするわけですが、世の中そう上手くはいきません。来月以降質流れ品が大量に出回ると予想されています。
日本人の在住者がベトナムの金貸し業者に世話になることはほとんどないかと思いますが、ベトナム人はどのようにしてお金を借りるのでしょうか。いい機会なので本記事で少し紹介しておきます。
①身内・親族・友人・知人
金利などもないので一番安全な方法です。身内に金持ちがいるかが、かなり重要になります。
②銀行
それなりの金利もありますが、そもそも返済能力などの査定が厳しいこともあるので誰でも気軽に借りることはできません。田舎の自営業や農家には少し敷居が高いです。
③質屋
上で紹介した通りです。担保にできる物があれば簡単に借りられます。中には個人証明書を担保に入れるのもいますが、それが質流れして悪用されるケースが後を絶たないとか。
④高利貸し業者
所謂サラ金業者です。担保不要の信頼調査もありませんが、金利がかなり高いので上の①~③を利用できない人の最後の駆け込み寺といったところでしょうか。
④の仕事をしている人に少し話を聞いてみましたが、やはりニーズは田舎を中心に高いようです。そしてその業者はピラミッドのような階層になっているようで、比較的少額金銭の貸し借りを専門に扱っている部門(1~100万円程度)と、標準額部門(100万円~1000万円)、超高額部門(1000万円以上)と分かれているようです。
私「返済能力の査定もなくて、担保も必要ないんじゃ返せない人とか出てくるんじゃないの?」
④の人「返せなかったときは、それなりの対応をしますからね(笑)ちゃんと返ってきますよ。」
私「・・・なるほど・・・」
やはりお金は借りないに越したことはありませんね。