会社員という歴史が浅い

サラリーマンという言葉が日本に定着して久しいですが、改めてこの言葉の意味を考えてみると何とも異様な印象を受けます。サラリー(給与)とマン(人)ですから「給料のために働く人」という解釈ですが、そういってしまえばほとんどの人が当てはまるわけで、一般には会社員を指す言葉とされています。和製英語ですので英語でこのような言い方はありませんが、最近では日本人が自分たちのことをそう呼んでいるということで一部の人から認識はされているようです。場面によっては否定的な意味で使われるのがこの言葉の特徴ですよね。

余談ですが私が小学生の頃、将来の夢を書かせる授業がありました。そこで友人が「サラリーマン」と書いたところ、先生から「夢がない!」と言われて書き直させられていました。それもどうかと思いますが(笑)

さて前置きが長くなりましたが、ベトナムは企業が国営から民間へ解放されてからまだ歴史が浅いので、人口の若さと相まってオフィスワーカーは若い人がほとんどです。特に30代の経営者も多く、そんな会社では従業員が全員30代以下という構成になります。

 

民間企業としての歴史も浅いので、若い時からそれなりの役職に就くことも多く、30代での部長職なんていうことも珍しくありません。いや、むしろ30代でそれぐらいの役職に就くことが普通と考えている人もたくさんいます。ここで将来的に一つの課題が出てくるような気もします。

というのも前述したとおり、まだまだ民間企業での歴史が浅いため、会社員としての全体的な年齢層も若く、数十年かけて出世の階段を上がっていくという概念がまだこの国にはありません。ある程度経験を積んだら役職に就けるポジションに転職してしまうというのが通例ですので、一つの会社で10年以上職位が上がる時期をじっくり待つという精神があるかと言われると疑問です。

 

現在20~30代の会社員の人たちは恐らく20~30年後も会社員をしているでしょうから、そのころになるとベトナムの会社にも年配の方がかなり多くなっていると思います。その時に若者は現在のように数年で職位を上げるための転職を試みたとしても、既にそういったポストは年長者で埋まっている可能性も高く、今ほど容易に転職に踏み切ることができなくなるのかもしれません。

 

 

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