外人とは?
「外人って何ですか?」
先日、とあるベトナム人にこう質問されました。私も「あ~」と思いながら「外国人のことだよ。」と返して「国」が省略されている旨を伝えましたが、とりあえず聞いたら意味が分かる程度で自分は言わないほうがいいよと伝えておきました。
日本で長い言葉を省力して使うときにはカジュアルな場面が多く、仕事などフォーマルな場面でこういった省力後を無碍に使うのは好ましく思われないことがあります。履歴書などでもそうですが、外国人にとってはどんな省略語が好ましくないのかの判断が難しいため、多少手間がかかってもしっかり正式名称を使ったほうが無難だと言えます。
これはベトナム語でも通じることですが、ベトナムではかなりフォーマルな場面(契約書、かなり高い身分の相手)でない限り、取引先に対しても略語を普通に使っているようです。
ところで冒頭の「外人」というフレーズですが、現在の日本では公の場でこの言葉を使うことは憚られるようになりました。所謂差別的な言葉として捉えられてきているようです。この「外人」という言葉を使っている多くの日本人は上述のように外国人の省略語として使っているつもりですが、一部の外国人からは国籍としての「foreigner」ではなく、日本での「outsider(よそ者)」として解釈されるようです。
ですので現在の日本では政治家やマスメディア関係者が「外人」と口にすると炎上必至ですし、学校教育に携わる先生たちも「外人」という言葉は使わないようになっています。
テレビを見ていると、スポーツ選手のOBなどが解説で「外人選手」という言葉を使っている人がいますが、その後必ずといっていいほど実況のアナウンサーが「外国人選手」と言い直していますし、街頭インタビューなどで一般人が「外人」と言った場合でも字幕では「外国人」に直されているのが見られます。
こういった蔑称は受け取り側の意図を優先として考えられる傾向がありますので、ある意味仕方のないことなのかもしれません。