ベトナム人の自殺者数について

先日テレビを見ているとベトナム人は毎年40000人程度自殺しているという報道がありました。この報道のメインは近年特に未成年者の自殺者が増加しているということで、その対策をしていく必要があるというだったのですが、この自殺者数を知って「こんなに多いか?」と素直に感じました。

 

日本は平成29年の自殺者数が約20000人だったので、単純に倍の人が毎年自ら命を絶っているということになります。漠然と日本はストレス社会でベトナムよりも自殺者が多いと思っていたんですけど。この機会に少しベトナムの自殺事情について調べてみました。

まず年間40000人という数字ですが、WHOが発表する数値では10000人程度となっていますので、正確な数については正直疑問です。ただ近年日本は自殺者が減少傾向にあるのに対し、ベトナムは右肩上がりというのは事実のようです。自殺の直接的な理由は様々でして、ストレスによる鬱からくる自殺が全体の75%を占めているようです。(因みに他の原因としてはアルコール中毒、麻薬中毒、精神異常などが挙げられています)

鬱となる主な原因としては、仕事や学校など社会的な環境、親しい人の死別や離婚、金銭、その他生活の貧しさなどが挙げられています。

日本で表に挙がってくる自殺の報道は労働環境やイジメなどがクローズアップされやすいですが、こうしてみると自殺の理由については特に日本と遜色ないようです。

 

こういった仕事をしているとベトナム人の求職者から退職理由として「ストレス」を挙げている人に出会うことも珍しくありません。企業面接と比べて求職者もカウンセリング段階では比較的本音を言う人が多いので、きっと事実なんでしょう。実際、職場の日本人上司が嫌いだからという意見も時々あります。

 

日本ではあまり報道されませんが技能実習生や留学生が日本で自殺することもよくある話です。やはり心の病気が原因であることが多いようです。我々日本人からすると「ベトナム人は日本人より日常でストレスを感じることは少ないだろう」と勝手に思い込んでしまいがちですが、実はストレスを抱え込みやすい民族なのかもしれません。

幼いころから家族や友人と密に過ごしている彼らは「孤独」を何より恐れます。これは家族と離れて過ごして寂しいという物理的なことだけでなく、精神的な孤立に対しても言えることです。

 

こちらで働く日本人は立場上どうしてもベトナム人スタッフの働きぶりに目が行ってしまいがちですが、たまにはそういった精神状態に目を向けて、要所要所で言葉をかけてあげることも必要かと思います。

 

 

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