日本で失踪するベトナム人の入り口

今朝ベトナムのニュースで観光ビザを取得したベトナム人が日本へ入国し、そのまま失踪したという記事を目にしました。この観光ビザはベトナムの旅行会社の団体ツアーで発給されたもののようですが、ツアー自体に参加しておらず個人で日本に渡りそのビザを使用して入国したようです。

 

日本大使館では旅行会社が一括でツアー参加者のビザを申請できるように、厳重な審査の基で認められた旅行会社のみその代行業務を請け負うことができます。ですのでもし旅行会社で代行申請したビザの取得者が失踪などのトラブルを起こしてしまうと、その旅行会社は代行申請できる権利をはく奪されてしまうわけです。

 

参考:https://www.vn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/shiteiryokokaishanotorokumassho.html

 

 

これまでベトナム人の失踪と聞くと、技能実習生や留学生が頭に浮かびましたが、いよいよ観光ビザで入国した失踪者も出始めたかという印象です。

明確な裏付けがあるわけではないので私見程度で語りますが、現在の日本にはベトナム人の失踪者を匿う(利用する)組織のようなものが存在し、その失踪者の供給源を常に探していると聞きます。実習生や留学生は日本へ行くために多額の金銭を支払うのに対し、今回のように観光目的となると事前の支払いは実習生や留学生ほどにはなりません。ベトナムにいたときから上記のような組織と連絡をとっており、日本で落ち合い違法就労に従事するという流れも十分考えられます。

 

ここからは邪推ですが、今回ビザを申請した旅行会社が上記の組織と繋がっていたとしたらどうなるでしょうか。関りのある業者は調べに対し「自分たちも被害者だ」と主張しています。もちろんビザの代行申請業務を禁止されると莫大な損害になるでしょうから被害者というのは分かります。しかしこれが会社ぐるみではなく、直接ビザの申請代行を行う担当者が個人的に会社を利用して行っている場合はどうでしょうか。ベトナムで生活経験が長い方は自ずと察すると思います。

 

他にも以下のような手口で日本へ入国するためのビザと取ろうとする動きもあるようです。

 

参考:https://www.vn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/tankivisachuinew.html

 

いわゆる「親族・知人訪問」の枠に入る観光ビザの取得についてです。取得のためには日本側の身元保証人による招聘理由書など各書類が必要になるわけですが、それを偽造して観光ビザを取得しようとする方法です。こういうことをされると正規でビザを取得しようとする人の手続きが煩雑化されるので本当にやめてほしいところですね。

 

 

劣悪な労働環境などが原因の失踪者については情状酌量の余地があるかもしれませんが、始めから失踪前提で入国する人に対してはベトナム側からも厳罰な姿勢を示してほしいところです。現在は失踪をしてもベトナムに戻ってしまえば社会的な制裁を受けることはほとんどありませんので、その辺りも失踪を助長しているのでしょう。

 

 

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