ベトナム語の発音に対する考え方

「ベトナム語の勉強をしましたが挫折しました。」

ベトナムにいる日本人からよく聞くセリフです。多くの人にとって壁となるのが発音の問題。ほとんどの人がここにぶち当たって挫折に至ります。それもそのはずベトナム語の発音は世界の言語の中でも特に難しいとされる位置にあり、さらに地域ごとに発音が異なるためネイティブ同士でも聞き分けが難しいとされる言語です。なので外国人がチャレンジして始めから発音できようと考えること自体が無謀な話で、少なくともそれなりの形になるまでにある程度の努力が必要となるわけです。

 

しかしそもそもネイティブと同等の発音力を身に付けようと考える人はほとんどいないわけでして、少なくとも自分の言っていることが相手に伝われば御の字かと思います。そういう視点で学んでみると案外発音のレベルを下げることもできるわけで、場合によってはゴリ押しの発音でも相手に分からせることも可能です。前置きが長くなりましたが本日はその辺りの考え方についてお伝えします。*本記事は少しでもベトナム語学習をした経験のある方向けの内容になります。

 

・特定の発音を身につけることから始める

 

■声調編

日本語や英語にはないベトナム語の声調。全部で声調は6種類ありますが、まずはそのうちの3種類をしっかり言えることに集中してください。その3種類とは「平らな声調」「上がる声調」「下がる声調」です。この3つを使い分けることができるだけでも相手に理解してもらえる率が格段に上がります。例えば「ga駅 gà鶏」や「giá値段 già老い」を しっかり言い分けることができれば大丈夫です。実際レストランなどで「heo豚 gà鶏 bò牛 cá魚」を正確に発音できる日本人は少ないです。また、何か聞きたいときに、英語のように最後の語尾を上げる傾向が見られますが、そうしてしまうと違う言葉を言っていると思われるので、そこは語尾を上げずに我慢しましょう。

 

■母音編

日本語の母音数より圧倒的に数の多いベトナム語ですが、とりあえず「â」の音を押さえてください。他の母音よりもこの音ができないと伝わる確率が極端に下がります。ハノイでは有名な地名、「Cầu Giấy」を一発で理解してもらえれば及第点です。日本語で「コーザイ」と言っても確実に伝わらない音ですので声調と共に一つの目安にしやすい地名です。日本語には無い音ですので若干難しいかもしれませんが、ネイティブの発音を聞いた後だと真似をするのはそれほど難しくありません。感覚的には日本語の「あ」を基にした呻き声といったところでしょうか。。。

 

■子音編

子音は母音と比べてそれほど手こずることはありません。日本語の発音種類で賄えるものが多く、+α英語の子音の発音を押さえていれば初級の段階では問題ないでしょう。ただし北部、中部、南部で同じ表記の子音でも発音が異なるのでその点だけ注意が必要です。(「d, gi, r」など)あと子音で終わる音は英語と同じように必ず子音で終わるように発音しないと分かってもらえません。例えば「bút ペン」を「ブット butto」と発音するのはNGで、最後の「o」は日本人のカタカナ英語と呼ばれる典型的なものになりますので注意してください。

 

 

初期の段階では上記の部分を押さえるだけでもかなり伝わりやすくなります。発音が複雑な言語だからこそ色々な音を中途半端に習得するのではなく、重要な音を優先的に習得させていくことが重要になります。一つ一つできない音を確実に潰していくことが最終的な近道になると思ってください。

 

 

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