どんなときに「tôi」と言う?

日本はGWが終わりを迎えつつあると思いますが、いかがお過ごしでしょうか。今年は元号の切り替わりもあり、話題に富んだGWかと思われます。先日現地在住の日本人から、ベトナム語の人称に関する煩雑さについて話を受けました。本日はベトナム語の人称についてお話します。

 

外国人がベトナム語を学習する際に、最初に学ぶ単語が「tôi(私)」。これが英語の「I」のようにあらゆる場面で使用されるのであれば問題ないわけですが、実際ベトナムに来てみると、「誰も自分のことtôiって言ってねーじゃんか!?」て事態に見舞われます。

ベトナム語の一人称は相手との関係性や年齢に応じて変わりますが、「tôi」を使う機会は少ないです。「tôi」は演説や告知などのフォーマルな場において聴衆の年齢層が多岐にわたる場面に使用されることが多く、日常の対人関係で用いると変に距離を空けて接しているかのような印象を与えてしまいます。

 

なので一対一の場面で「tôi」と言おうものなら、相手からは結構な違和感を持たれます。(相手が外国人なので大半の人はスルーしてくれますが、実体験で注意されたこともあります)

しかし学習初期の段階で、「相手が10歳ぐらいまでの年上の時はem」、「相手が10歳ぐらいまで年下のときはAnh,chị」「相手が親ぐらいの年のときはcháu」、などなど他にも色々詰め込んでしまうと混乱必至ですので、学習の便宜上初期の段階では「tôi」に留めているという事情があるわけです。

 

少し雑な言い方になりますが、日系企業のスタッフ内で呼称を使い分ける場合、日本人が40歳ぐらいまでであれば「Anh(お兄さん) Chị(お姉さん) Em(年下全般)」の三種類ができれば大体事足ります。逆に言えばそれ以外の呼称を使えるとベトナム人から「この人ベトナム語できるなぁ」と一目置かれることになるでしょう。

 

 

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