ベトナムの痴漢犯罪について
日本で痴漢と聞くと満員電車などを想像する人も多いかと思います。現在の日本では痴漢犯罪に対して厳罰な処分をしているのに対し、冤罪被害などの問題もあり日常的によく話題に挙がる事件ではあります。一方ベトナムでの痴漢犯罪とはどのようなものなのか。本日はベトナムの痴漢犯罪について紹介します。
まずベトナムでも痴漢犯罪はちょくちょく起きているようです。現時点では都市鉄道は走っていませんので日本のような満員電車というシチュエーションはありませんし、人が一番密着するであろうラッシュ時のバス車内でも痴漢犯罪などはあまり起きないと聞きます。
それでは一体どんな場面で発生しやすいのか。その一つはエレベーターです。エレベーターという限られた空間では犯行に及びにくいのでは?と思うかもしれませんが、こちらの痴漢事件を見ていると日本のように被害者に犯人を特定されないようなシチュエーションで犯行に及ぶという感じではありません。むしろエレベーターに女性と二人きりになるタイミングを見計らって行うという、ある意味ストレートな方法がよく見られます。
こういったやり方になるともはや痴漢の域を超えているような気もしますが、先日もあるベトナム人男性がエレベーターの中で女子大生に痴漢を働き逮捕された事件がありました。その時はエレベーター内の監視カメラに顔がはっきり映っていたので、すぐの逮捕に至ったとのことです。また都市部ではなく田舎のほうでも男性によるストレートな痴漢犯罪はあるそうで、そういう場合は大概表に出ずにその集落内で完結させてしまうことが普通だそうです。
しかし上で書いた女子大生に対する痴漢行為ですが、この犯人に対する処分について物議を醸しました。実際に課された処分は罰金20万VNDと日本円で1000円程度。これについてベトナムの女性たちは黙っていません。女性の性を軽視しているなどの抗議が各方面から挙がっています。それもそのはず、痴漢犯罪についてこの程度の処分では何の抑止力にもなりませんし、被害に遭った女性の心証を考えれば何の償いにもなっていないでしょう。またこういった罪を犯す人は犯行当時に飲酒している人が多く、典型的な酒に飲まれた浅ましい行動と言えます。
ベトナムでは痴漢犯罪や猥褻行為、セクハラなどに関する法律は存在しますが、まだ十分に整備されていないというのが実情です。現行の法律だけでは完全に取り締まれない部分や、仮に処分にあったとしても被害者の女性にとって十分だと思えるレベルの処分が設定されていません。
以上のことを考えると、ベトナムに住んでいる日本人女性もある程度は警戒心を持つ必要があると思われます。基本的にベトナムでは凶悪犯罪などに巻き込まれる可能性は低い国とされていますが、ひったくりなどの軽犯罪には日本にいるときよりも被害に遭う可能性は高いですし、性犯罪についても一定の警戒はするべきでしょう。上記のような性犯罪に巻き込まれないためにも最低限深夜に一人での外出を避けることや、よく知らない男性と密室で二人きりになるシチュエーションを極力避けるようにするべきでしょう。