ローカルインターナショナルスクールとは?

今週ハノイのインターナショナルスクールで6歳の子どもがスクールバスに9時間閉じ込められて命を落とすという事件がありました。直接的な死因については現在も調査中とのことですが、暑い気温の中で長時間閉じ込められたという事実だけで死因は容易に想像がつきます。

 

その児童は一番後部座席に座っており学校に到着した後にも何かしらの理由で降車しなかったのですが、運転手はまだ児童が残っていることに気付かずそのまま車庫に駐車をしたそうです。その後クラスでその児童がいないことに担任の先生が気付きますが、その学校では児童の出欠についての連絡係というのが別にいるようで、その連絡係が保護者への連絡を怠ったことが今回の事件の原因だとされています。学校側はその連絡係が休暇中で連絡できなかったと釈明していますが、それについては世間も懐疑的で何かしらの嘘をついているのではないかという見方が強まっています。

 

今回の事件については担当者それぞれの不注意が重なった結果の事件だと思われますが、ベトナムにおけるインターナショナルスクールの現状とはどういったものでしょうか。上の学校はインターナショナルスクールとうたってはいますが、そこはベトナム人経営で我々が考えるインターナショナルスクールとは性格が異なるものと理解したほうがいいと思われます。どちらかというと英語教育や高級な施設に力を入れているローカル私立学園といったところでしょうか。

 

元々インターナショナルスクールは家庭事情で海外生活を余儀なくされる子どもが通うところという感じでしたが、近年では「インターナショナルスクール=質の高い教育」という考えから現地の富裕層の子どもが通う学校という側面もあります。これはベトナムのような新興国ではよくあることで、こういったニーズの増加から上記のようなローカルのインターナショナルスクールが設立されるようです。

 

もちろんこういった学校の存在を否定するわけではありませんが、「インターナショナルスクールと言っているだけ」や「学費と質が伴っていない」という声も聞かれますので、学校によってはそういうところもあるのでしょう。経営者が金儲けに走ると中途半端な学校が出来上がる可能性も高いのかと思います。

 

近年ベトナムでは教育に関して注目が集まっており、子どもにはできるだけ質の高い教育を受けさせようと考える親も多いです。ベトナムは経済レベルの割には識字率が高いということもあり、小学校などの基礎教育を始め今後も教育の質が改善されていく可能性は高いと言われています。一方で教育だけに注目するのではなく、子どもたちが安全に学校生活を送れるような環境作りも同時に取り組んでいくことが求められるでしょう。

 

 

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