社会的権力者の振る舞い

最近ベトナムで話題になっているフレーズがあります。それは

「Mày biết tao là ai không?(お前は俺が誰だか分かってるのか?)」

 

ホーチミン市にあるタンソンニャット空港である女性がクレームを入れる際、航空会社の係員やセキュリティの人に吐いたセリフです。セキュリティの人にも暴行を加えたこの女性は後々警察幹部の人間だったということが分かり、その傲慢なふるまいに世間からの顰蹙を買ったという事件がありました。

1/8/2019 Tuoi Tre

 

近年ベトナムではこういった社会的な権力者が冒頭のフレーズを言って傍若無人に振舞うケースがよく話題になります。主に党の幹部や国の役人、企業の経営者などに多いようですが、大半は本人に落ち度があるもので、対応した係の人が悪いという事例ではありません。権力者はこのフレーズを使って対応した人を追い込もうという意図があるのかもしれませんが、実際のところはSNSなどでこういった振舞いを世間に拡散され、自分の立場を危うくするというパターンになります。

 

私が日本にいたときには接客の仕事をしていたこともあるのですが、日本でもこういったフレーズを言う日本人を見ることが時々ありました。しかし接客する立場から言わせると、「誰であろうが接客の質は変えられない」というのが根底にありまして、こういうときにその人の素の部分が出るもんだなあと一歩引いた眼で見ていたものです。どこの国にも多かれ少なかれこういう人はいるものです。

 

ベトナムでも似たようなものだと思いますが、こちらでは日本以上に権力者に対して態度を変える人が多いのではと考えてしまいます。接客についても相手に対して態度を変えるようなところも場所によってはありますし、恐らく個人間でもそういった振舞いをする人もいると思います。一度権力を持ってしまうとそういうもんだと思う権力者も少なからずいるということでしょう。しかし昨今これだけバッシングを浴びるようになっているわけですから、こういった人も徐々に減ってくるのではと思われます。

 

ブログ一覧へ