新たなベトナム料理は発明されるか?

本日は食の話について少し書きます。先日お昼ごはんを大衆食堂でサッと済ませたときに感じたこと。

 

「なんでどこに行っても同じメニューなのかな?」

 

以前から思っていましたが、各店ごとのオリジナリティに乏しいというか、どこに行っても同じメニューの中から選ぶというところに味気無さを感じていました。例えばベトナム料理で真っ先に思い浮かぶフォーを例に出します。

 

フォーは牛肉が入っている「フォーボー(phở bò)」か鶏肉が入っている「フォーガ―(phở gà)」かに分かれます。そこから牛肉であれば火の通し具合で分けたものや、牛肉の部位で分かれたメニューになりますが、どこに行っても大よそそれらのメニューに終始します。

 

しかし個人的には「フォーには牛肉や鶏肉しか入れてはいけないという決まりがあるというものでもないんじゃないの?」と思うわけで、私の中でこんな具材を入れたりしても美味しいと思うんだけどなぁと勝手に想像を膨らませたりしています。恐らく日本で蕎麦やうどんを食べる際に具材の選択肢の多さからそんなことを考えたりするのだと思います。

同じようなことは焼き飯や焼きそば、それ以外のベトナム料理全般にも言えることでして、仮に日本が本気で日本国内でベトナム料理を売り出したとしたら、様々な派生メニューが生まれるのではないかと。

 

どうしてそういったことはベトナムではしないのか?困ったときにはいつものご意見番であるベトナム人の友人Mさんに登場してもらいます。

Mさん「ベトナム人はまだまだ味に保守的な人が多く、伝統的なスタイル以外は認めない人も多いです。特に年齢が高い人はその傾向が高いですし、伝統的でないベトナム料理はもちろん、一般的な洋食でも受け付けない人は多いですよ。」

 

私「確かに私の祖父も洋食は食べますが、クリームシチューやカルボナーラといったクリーム系の料理は受け付けません。それと似たような感じですかね。しかし仮にオリジナルのメニューが本当に美味しかったとしてもダメですか?」

 

Mさん「それを知るために口に入れてもらえるかという問題があります。得たいの知れないものを食べてみようという冒険心のある人は少ないですからね。食べてみたけどまずくてお金を損したくないという心理が働くんですよ。個人でやっている店とかではそれで食材が余って廃棄とかになると死活問題ですから、なおさらメニューで冒険しないわけですよ。まあ元からそんなオリジナルのものを出そうとかいう発想そのものが無い人のほうが多いと思いますけど(笑)」

 

私「日本でベトナム料理を売りだしたら色々なオリジナル料理が発明されそうですが。」

 

Mさん「それは私も食べてみたいですね。日本は洋食、中華、イタリアンなど外から持ってきたものでも独自に進化させますからね。ベトナム料理をどのように進化させるのかはすごく興味深いです。今のベトナムはまだオリジナリティを追求するフェーズに至ってなくて、外から持ってきたものはよくて同じものをそのまま普及させるだけですから。」

 

今後新しい味のベトナム料理が生まれる時代を心待ちにしたいと思います。

 

 

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