賞与で現物支給が認められる

今年も残すところあと4日あまり。去年のブログでも書きましたがベトナムに住んでいるとどうも日本の年末年始の意識が薄くなってしまいます。今年はテトが1月の下旬に始まるということで、今の時期はベトナムの旧正月ムードが漂っている中にいる感じです。さて、今年最後のブログとなりますが、本日はベトナムの賞与についてお話します。

 

先日発表された改正労働法では、2021年より従業員への賞与支給について、これまで現金支給が規定されていましたが、現物支給も認められるようになりました。しかし授与方針については雇用者、従業員共に話し合った上で同意が必要とされており、雇用者の独断で現物支給を実施することはできないとのことです。

 

とりあえず法律上は現物支給も認めるということですが、賞与の現物支給を実現する場合、相当ハードルが高いのかなぁと思われます。日本でも会社の業績が悪化した際に自社の製品をボーナスとして支給したところもありましたが、従業員からはかなりの反発を受けたみたいです。ベトナムでは賞与の授与は絶対ではありませんが、会社の業績如何に関わらず支給するのが当然というような雰囲気があり、雇用側も離職防止のためにそこは徹底している企業がほとんどです。

 

テト賞与はその名の通りテト前に支給されるボーナスで、テト期間中に使い果たす意味合いが強い賞与です。例えば日本のようにボーナスをローンの返済に充てるといった、日常の出費の補填に回されることはほとんどありません。テト期間中は帰省費用も含め、親族に配るお土産や、お年玉、旅行、その他連日続く宴会の飲食費など結構な出費になります。日本のお正月でもお金は飛びますが、費やす金額は物価の違いなどを考慮しても相対的に高いといえそうです。

 

つまりこの賞与が無いというのは中々の死活問題でして、これが無くなると暗い気持ちでテトを迎えることになります。現金ではなく現物支給と言って喜ぶ人はまずいないでしょうし、ベトナムではまだまだ安い賃金で働く人は多く、毎月の給与で貯蓄に手が回らない層がたくさんいます。

今回の改正で実際に現物支給を実施する企業が出るのか分かりませんが、もしその場合は従業員の反応や、一体どんなものが支給されるのかは興味深いところではありますね。

 

いずれにしてもお正月はその国の人にとって明るい期間であってほしいものです。それでは良いお年をお迎えください。

 

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