海を越えても袖の下

先日、海外に住むベトナム人が在外ベトナム大使館や領事館で手続きをする際、既定の料金から水増しの金額を請求されるといった旨のニュースがありました。あるベトナム人の告発によってそのことが発覚したようです。本日はその辺りについて記事にします。

申請内容にもよると思いますが、平均して60USD前後の水増し請求をされたり、遠回しに袖の下を要求されることがあるようです。しかしベトナムに住んでいる身としては、「特に驚くことでもない」と感じてしまうのが悲しいところです。

 

実際私もこちらの役所で元々の申請料金以外のお金を要求されることがあります。むしろベトナムの役所とはそういうものだと割り切っていますので腹が立つ感覚もないのが現状です。しかしこの大使館の水増し請求は基本的にベトナム人に対してのみなのではないかと思われます。というのもそういう習慣がない国(日本など)で外国人相手に要求したところで応じる可能性は低いですし、もしそんなことをされたとその国の外務省に話を上げることになると、国同士の関係にも影響が出ます。なのでさすがにそれはマズイと認識しているのではないでしょうか。因みに被害にあったベトナム人はベトナムの外務省にその旨を伝えてはいるようですが、納得のいくような回答は返ってこないようです。

 

現在ベトナムでは役人や警察の汚職について厳しく取り締まっているように見えます。「ように見えます」というのは依然として上のような袖の下の話はそこかしこで聞かれるからです。また袖の下というのは国の機関に多いと思われがちですが、実際のところ民間でのやり取りにもよくあることです。

 

全てのベトナム人がこういったやり取りに通じているというわけではありません。しかし一部の限定された層の中でこのような風習が蔓延っていますので、この「袖の下文化」を根絶させることは容易ではないでしょう。現在ベトナムにいる多くの人々はこの悪習を嫌っていますが、また従わざるを得ない現実もあります。

 

 

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