自粛明け気配のベトナム

今月から社会的隔離措置ということで外出自粛や一部店舗を除く営業停止などが続いておりましたが、今週に入って国内の新規感染者数が出ていないということから自粛の終わりが見え始めています。現在は段階的に活動を認めていってる状態で、昨日からハノイのキムマ通りの日本食店も営業を再開し始めました。大勢の人が集まる娯楽施設やマッサージなどは現在も活動は認められておらず、こちらは早くても5月2日以降の再開となりそうです。

 

こういった自粛から解放されるわけですが、街の様子を見ているとまだ普段通りの賑わいという感じはありません。周りのベトナム人を見ていても何となく様子見といったところでしょうか。恐らく時間をかけて少しずつ平時の状態に戻っていくのではと思われます。まだ終息したわけではありませんが、中国に隣接する国でありながら感染者数が少ないという点と一人も死者を出していないということから、今回のベトナムのコロナ対策について世界から評価をされているようです。

 

私もこちらに移り住んでしばらくになりますが、以前からベトナム人の団結力については大いに認めているところです。同じ目標に対して一度団結すると、そこに向かって一心に取り組む姿勢や、仲間同士で助け合う精神、そして達成した後の親近感などは今の日本のそれを大きく上回っているように感じます。

 

また通常はコロナについて暗いニュースが多くなりがちなものですが、それを逆手に取ってコロナ絡みのユーモラスな話題も目立ちます。以下に3つ例を挙げます。

 

・衛生を奨励する歌を出す

ベトナムの若者の間で有名な「ghenゲン」という歌がありましたが、この歌の歌手が歌詞をそっくりコロナ対策の内容に入れ替えた歌を作りました。それが多くのところで使われるようになり、今やベトナムに住んでいる人で知らない人はいないというほどの有名な曲になっています。

 

・ご時世に合わせたドラマを作る

昨年ヒットしたドラマの続編が今月からスタートしましたが、ハノイが舞台ということもあり、コロナ対策や自粛も実際のハノイの生活と同じように再現されており、ドラマの中で隔離された人の大変さや悲しさなどを時にシリアスに、時にコミカルに表現しています。元々ヒットしたドラマの続編である点と、現在の社会情勢をタイムリーに反映されている点から上々の視聴者数を獲得しているようです。

 

・リモートワークの奨励で空気がきれいになった

活動の自粛で大気汚染の原因となる要素が減っていますので、(特にハノイの)空気がきれいになっています。またこれまで仕事というとオフィスに出社してするのが当然となっていたのが、「案外リモートワークでも成り立つな」という新たな発見にも繋がっており、経営者や従業員の中でも働き方を見つめ直すいい機会になっているのだとか。ニュースでも快適な自宅オフィスの環境づくりだとか、自宅で健康を保つエクササイズなどがよく紹介されています。

 

今の調子でいくと月末の祝日はそれなりに楽しめそうな雰囲気になってきてはいますが、諸外国からの入国ややり取りには今後しばらく制限が続きそうですので、全ての企業活動が平常時に戻るにはしばらくかかりそうです。

 

 

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