新卒のベトナム就業希望者が増えている?
現地採用というと一昔前は日本で社会人経験を何年か積んだ人達が普通でしたが、最近では大学卒業後の新卒としてベトナム就業を希望する人も増えてきています。在学中にベトナムにインターンシップに来たり、日本でベトナム人と関わったことがきっかけでベトナム就業を考えるようになる人が多いみたいですが、それほど日本とベトナムの関わりが以前より強くなっているということが窺えます。今日は新卒でベトナム就業を目指す若者について書きます。
・なぜベトナムを選ぶ?
ベトナム就業を希望する理由の一つとして、経済的な発展状況を挙げるのは世代を問いませんが、学生の人たちから話を聞くとまた違った回答が出てきます。
それは適度な「ちょうど良さ」。一言で海外と言っても国によって環境は様々です。彼らにとってベトナムはちょうど良い立ち位置なんだとか。例えば、
①日本でベトナムに関する認識は年々高まっているが、誰からもよく認識されている国というわけではない。
②適度に日本人がいて、日本人との関わりも適度に調整できそう。
③食文化が極端に変わらない。
④地理的に近くもなく遠くもない。
⑤国の関係性が良好。
⑥テロがない。などなど。
確かにその通りだと思います。
・日本で一度就職しようとは思わない?
新卒で海外に飛び出そうと考えている時点でキャリアをずっと海外で形成しようと考えている人も多く、日本で就職して時間を費やそうとは思わないという意見もあります。海外の日系企業で働く場合、日本での社会人経験が重視されることは否めませんが、始めからそういった志の持った若者が海外に飛び出ると優秀な人材に化けるかもしれません。仮に新卒で入社できた会社があったとして、その会社が新卒教育に力を費やせる余力があるかどうかがポイントでしょうか。
・周りの同級生の反応は?
普通は卒業する1年前ぐらいから日本で就職活動を始めますので、その時期に就職活動をしていないと奇異に見られることもあるようです。しかし海外就職を目指していることを伝えると、これまでの関わりもあってか前向きな言葉をもらえることも多いようです。周りの就職先が決まると若干焦りを感じはしますが、別の進路を進むと決めた以上、他は気にしないという腹の座った意見も聞くことができました。
・学生の間に何をやっておけばいいかと聞かれると?
社会人経験はないが入社したら1日でも早く戦力になりたい。そのために学生のうちにできることはないかという熱心な質問をされることもあります。新卒はその熱意で十分だと言いたいところですが、やはり語学(英語)の勉強は必須です。実際は語学不問の求人もありますが、その若さで語学不問の求人を狙うのは若すぎるというのが私の本音です。時折「語学は苦手なんです」という方もいますが、そこは敢えて厳しい言葉を返します。あと日本の新卒社員研修にあるような、社会人マナーを教わる機会も限られますので、ある程度は自分で調べて理解しておいたほうがいいとも伝えています。
新卒でベトナム就業を希望される方は社会人経験がないという点で時折違和感を感じるやり取りがあるものの、学生独特の素直さやチャレンジ精神を持った若者が多いです。現時点ではまだ新卒採用に対して門戸が広く開かれているわけではありませんが、こういった将来性ある若者にはどんどんベトナムに出てきてほしいものです。