労働法の遵守に関する意識
猛暑が続くハノイです。今年は記録的な暑さが続いており、気温40度以上が11日以上続いたということで新記録更新中とのこと。一応来週からは気温が下がるそうですが、それでも不快な天気が続くことは変わりません。この時期は心身ともにだるくなる私です。
さて、今日は労働法の遵守について思うことを書きます。日本では近年になってようやく労働基準法の遵守が叫ばれるようになりました。最近では違法な就業をさせた場合は表に出やすいということもあり、所謂ホワイトな企業が増えてきていますが、依然労働基準法を考慮しない企業があることは否定できません。
ベトナムでも同じように労働法が制定されており、基本的に企業はこれに則って従業員を雇用するわけですが、その遵守度合いはいかがでしょうか。ベトナムのローカル企業を見ていると大きく以下のようなことが言えそうです。
・大企業→遵守傾向が強い
・中小企業→遵守傾向が弱い
日本の会社でも似たようなことが言えるかもしれません。大企業は世間からの注目度が高い分、コンプライアンスの面での意識が高くなるのは当然です。しかし企業規模ではなく別の視点から見ると以下のような特徴があるように思えます。
・従業員全体に影響があること→遵守傾向が強い
・従業員個人に影響があること→遵守傾向が低い
例えばワーカー全員に不当な扱いをした場合、ストライキなどの危険性があります。企業側もそれは重々承知ですので、労働法に則り慎重な決定をするものです。しかし一個人の場合は労働法に則った解決が必ずしも取られているかというとその限りではありません。実際は不当な扱いなどが山ほどあります。特に解雇関係では多いでしょうか。
ベトナムではまだまだ個人が企業相手に訴えて、賠償を勝ち取るといったケースが稀です。訴えるための金銭問題もありますが、大きな相手に対等な戦いができるのかという懸念もあります。弊社にも「その解雇は不当では?」というような相談がいくつか寄せられていますが、現実的にそれを覆すのが難しい現状です。
日系については労働法に則って活動をしている企業が普通ですが、ローカルはいざとなるとそこを無視して決行という話をよく聞きます。現在活動が制限されている実習生送り出し機関などで、日本人の日本語教師が急に解雇されるのは典型的な例かと思います。こういうところはローカルは非常にドライですし、個人が声を挙げたところで改善は望めないのが今の状況です。
しかし日系企業は「ベトナムはこうだから多少労働法無視しても大丈夫」と考えるのではなく、しっかりと遵守するよう努めるべきでしょう。何といってもベトナム人からは日本の会社というだけでそういう面での期待も持たれていますので、そこは裏切らないようにしたいものです。