日系とローカルの給与差

ベトナム人の求職者と日々面談していますが、その際に現収と希望給与を聞くやり取りが毎回あります。最近は必ずしも現収を上回る給与を転職先に希望しない人も増えてきました。仕事に対して求めるものの変化が窺えます。

 

ところでローカル企業から日系企業へ転職を希望する人も多いのですが、ローカルから日系への転職希望理由は以下が代表的です。

 

・日本式のビジネス環境で働きたい

・日本人と一緒に働きたい

・もっと日本語を使用できる環境で働きたい

・収入を上げたい

 

この中で一番下の「収入を上げたい」という希望は、かつてならローカルから日系へ転職すると殆ど実現できていました。しかし近年は様子が少し変わってきています。私が面談をする際にローカル勤めの求職者から現収を聞いた際、

 

「そんなに貰ってるの!?」

 

と驚くケースが多々あります。それこそ数年前であれば考えられないような金額です。そのスペックで同じポジションの日系企業に転職したとしても、その給料を出すだろうか?恐らく出さないかと思います。ここでローカル企業の給与設定について一つ特徴が挙げられます。それは給与がその企業の業績に左右されるという点です。

 

多くの日系企業は周囲の相場を基に給与を考えて設定することが普通です。たとえ儲かって資金が潤沢であったとしても、それを反映させるのはボーナスに対してかと思います。一方ローカル企業では周囲の相場よりも自社の業績に応じて給与を設定する会社も多いようです。IT系や送り出し機関などは特にその傾向が強いと聞きますし、優秀な人材を引っ張るマネーゲームが起きる原因にもなっているようです。

 

実際に日系企業とローカル企業の給与差が以前ほど大きくなくなっているというのは多くの人が知っているところです。将来的にもこの傾向は続くと思われますので、金銭面以外で魅力的な要素がある企業でなければ、人材の獲得、定着という部分で今以上に苦戦を強いられるかもしれません。

 

 

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