ベトナム企業が日本人営業に求めること

ベトナム企業で日系企業と取引きをしたいと思う会社の中には、日本人営業を雇いたいと思っているところもあります。日本人がいたほうが日系企業や日本人顧客から受けがいいだろうという目論見ではありますが、所謂客寄せパンダ的な役割を期待されることも珍しくありません。

 

これまでベトナム系企業で働いたことのある人たちの話を聞いてきましたが、殆どの人は長期的な就業は難しいと感じて退職されています。今回ご紹介する声は皆さん営業職となりますが、以下のような声が共通して聞かれています。

 

「社内の根本的な改善に着手できない」

 

営業であれば顧客に自社の製品やサービスを売り込むわけですが、それを受け入れてもらうためには現場レベルでの改善を感じることもあります。そこでそれを提案するわけですが、中々それを受け入れてはもらえないようで、今の状態のままで結果を出すことを求められます。しかし多くの日本人営業者は日本人相手にそれでは通用しないと考えるわけでして、自社内での改善も期待できそうにない結果、退職していくというパターンが目立ちます。

 

ただ日本人営業を雇うだけで、勝手に日系企業とつながりが出来て収益が上がることを期待する、これは日本人営業を雇いたいと思う多くのベトナム企業にありがちな考えですし、これから初めて日系企業と取引をしたいと思っている企業は特にその傾向が強いように感じます。

 

ベトナム人の商習慣から言わせると日本人の商習慣はじれったいという一面があります。例えば日本では販売後のものに対して極力迷惑が掛からないよう事前準備を入念に行いますが、ベトナムの商習慣では発生するかどうか分からないトラブルにそこまで費用と時間をかけるのは億劫に感じます。仮にトラブルが起きたとしてもその時に対応すればいいというスタンスなので、トラブルが起きないように準備する日本人とは根本的な考えが異なります。

 

ベトナム企業でも取引先が日系のみの場合は日本人的な考え方に合わせてビジネスを行わないと成功しないでしょう。一方取引先の一部に日系、またはこれから新しく日系を開拓していくといった企業の場合、上記の日本的な考え方にシフトすることができるところはほとんどないと思われます。

 

 

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