単身赴任のベトナム人とは

ベトナムでは既婚者が一人で遠方に働きに行くとすれば技能実習生に代表される海外への出稼ぎ労働者が中心で、それでも一定の期間に限ったことでした。しかし最近はこれまでの傾向に少し変化が出てきているようです。今日はその点についてお話します。

 

ベトナム人求職者の中で現住所と勤務地がかなり離れていても応募をしてくる人が増えたように思います。地方には仕事がないというのは分かりますが、既婚者の場合、就職先が決まると旦那だけ一人で職場近くに引越すということもよくあります。こういった働き方のスタイルはあまり一般的ではないと思っていましたが、今のベトナムの社会状況では珍しくなく、今後もこの傾向は強まるのではないかという見方もあるそうです。

 

まず地方出身者の場合は同じ地域の人と結婚することが多く、既に田舎で両親と同居していたり、家を持っているという人もたくさんいます。しかし地方にいるとどうしても現金収入が少ないという理由から都会で仕事を探すようになりますが、家族と一緒に都会に出てくるかというと必ずしもそうではないようです。旦那が単身赴任をするには以下の理由が挙げられます。

 

・家賃の必要性

都会に出てくるとまず家賃が必要になりますが、ハノイのような都会で家族が住むための家を借りるとなると、それだけで相当な負担になります。旦那一人であれば家賃は極力安く抑えられますが、家族全員となると結構な額になります。

 

・物価が高い

食費も含めて都会で生活すると生活費が地方よりも高くつきます。これも人数が多ければ多いほど額は上がっていきますので、家族で移住するメリットを感じない人も多いとのことです。

 

・環境が悪い

都会は確かに便利ですが環境を考えるとあまり住みたくないと思うベトナム人もいます。例えば大気汚染は深刻ですし、交通量の多さによるストレス、またこれらの環境は小さい子どもにとっては心配なものです。子どもがのびのび育つには自分の故郷が一番だと考えるベトナム人も多いでしょう。

 

こういった理由から敢えて旦那一人で単身赴任を選ぶ人も増えています。出稼ぎ的な要素が強いので、ある程度の収入が確保されていればこういったスタイルは好まれないと思いますが、こういった人は今後も増えるかと思われます。ベトナムには日本のような転勤族はいませんが、妻や子どもの生活環境は極力変えたくないと考えるベトナム人が多いようです。

 

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