ベトナム人にとっての老後の生活とは
ちょっと前に日本で老後2000万円問題が話題となりましたが、昨今の日本では年金支給年齢の引き上げや受給量の減額など、老後の金銭的不安に関する話題が増えています。高齢になると収入がなくなるのはどこの国でも同じだとは思いますが、日本のように少子高齢化の先進国は正に今その問題に直面している時期であり、こういった問題は将来ベトナムにも訪れるだろうと言われています。今回はベトナムの老後についてお話します。
・平均年齢が29歳のベトナムは高齢者も少ない
国の平均年齢が若いのは子どもの数が多いことに繋がりますが、一方で老人の数が少ないという理由もあります。50年前ぐらいまで戦争をしていたということもあり、今の老人世代に当たる人口減少も激しかったのが理由の一つです。また現在でも平均寿命が80歳に満たないという事情も関係があるでしょう。
・高齢者はどのように生活しているか
ベトナムにも年金制度がありますが、今の老人で受給している人の大半は軍隊の関係者や国の機関の関係者(公務員)となります。こういった人たちは人口全体で見ると一部となりますので、それ以外の人は子どもが養っているというところが普通です。また年金を受給できると言っても決して贅沢できるような金額ではありません。生活で最低限かかる費用ぐらいです。
・会社員勤めを続けると年金が受給できるが
市場が民間に開放されてベトナムでも会社員の肩書を持つ人が増えました。その大半はまだまだ20~30代の人ですが、今後も会社員人口はどんどん増えていくだろうと予想されます。会社勤めをしていると社会保険料は源泉徴収されるので、そのまま定年まで会社員をやっていると年金を受給できる権利を持ちます。しかしこういった制度の元の受給者がまだ周りにあまりいない事、また自分が貰う年齢になったら一体いくらぐらい受給できるのか見通しが立たないため、老後の生活であてにしている人はあまりいないようにも思います。
・今から30年後の老後の暮らしは
多かれ少なかれ日本が辿ってきた道と同じような発展をしてきていますので、今までのように子が親を養うのが当然といった感覚が今後も続くかと言われると疑問です。それこそ子どもが親を養えるぐらい金銭的に余裕のある人は少ないでしょうし、現在のように親と同居をしている世帯も将来的には少なくなるでしょう。今の若年層は自分が年老いたときにどこまで子どもをあてにするべきか、そんなことを考えながら生きていくことを求められる世代かと思います。
日本は少子高齢化で様々な問題を抱えていますが、それをどのように乗り切るのか注目されています。もしうまく乗り切れた場合、他の多くの国が抱えている似たような問題を解決するためのモデルケースになるのではないでしょうか。