日本に残るかベトナムに帰るか

今年に入って日越の行き来が自由にできない中、日本在住のベトナム人の中には帰国の期限が迫っても日本に残るかベトナムに帰るか悩んでいる人が大勢います。仕事を得ることが難しい昨今、日本で仕事を探すべきかベトナムに帰って仕事を探すべきかという相談を寄せられることもあります。本日はそういった方たちの進路について紹介します。

 

N・V・Aさん (25歳) 日本の専門学校を来春卒業予定

「最初は学校を卒業したらそのまま日本で暫く働こうと思っていました。でもコロナの影響で正社員の就職が難しくなっているという話を聞いています。あと日本にいたほうが感染の可能性が高いだろうということで両親からも帰ってこいと言われています。でも帰っても相応の仕事が見つかるかと言われるとそんなことはありません。自分の将来を考えたときにどちらを選ぶべきか本当に悩んでいます。」

 

T・H・Dさん (30歳) 技能実習生、今年11月に実習修了予定

「今年の初めまではもうすぐ実習が終わって家族に会える嬉しさや日本を去る寂しさみたいなものがありました。でもコロナの影響で11月の実習後にすぐ帰れるのか分からない不安が今はあります。友人の中には収入が途絶えても帰るに帰れないという人もいます。稼いだお金を立ち往生の生活費で失うのは絶対避けたいです。実習延長の措置もあるみたいなので同じ待遇で働ければまだいいですが、本音を言うと実習修了と同時に帰りたいです。」

 

D・H・Nさん (28歳) エンジニアとして日本で働く契約社員

「元々実習生として日本で働いてエンジニアとして再度日本で2年ほど働いています。今の立場だと自分が帰りたいと思ったタイミングで帰れるんですが、まさかこんな事情で自由に帰れなくなるとは思っていませんでしたね。日本は人手不足みたいですが、外国人が就ける仕事は限られていますので、ベトナムに帰って仕事に就いたほうが将来の見通しが立ちやすいのかなと最近考えます。」

 

今回はベトナム人の話になりましたが、ベトナムで働く日本人でも似たような葛藤を持っている人が多数います。こういった事態は自分の進路を見直す機会にもなりやすいですし、海外で働くというのはある意味こういったことと常に向き合う必要があるということを改めて感じた人も多いと思います。海外で働くとなると、現地でどんな仕事するか、どんな環境で生活をするかといった所に目が行きがちですが、こういった事態もあり得るという教訓になったかもしれません。

 

 

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