放置している銀行口座の回収

ちょっと前にベトナムのある銀行でその支店の支店長や各役職者が結託して、支店の金銭を横領する事件がありました。約5年にわたり日本円換算で20億円近くを横領したようですので相当な額です。横領した資金の使い道は把握できていないものの、主犯格の支店長は死刑判決を受けたとのことです。

 

近年では銀行内部の不正や外部からの不正アクセスなどが問題視されており、こういった事態を予防するべく様々な対策が各銀行単位で練られています。また国もこういった事態を深刻に受け止め、法律の見直しや修正などに着手しています。

 

ベトナム国家銀行はこういったセキュリティの安全性に関する技術要件について、改正・補足する通達草案の意見聴取を行っていますが、今回注目されている草案に、「放置されている銀行口座の破棄」があります。挙げられている草案によると「90日以上放置されている銀行口座を回収・破棄・無効化する」とのことです。

 

90日間というのは短いのでは?と感じるのは私だけでしょうか。普通に生活資金を出し入れしている口座であれば90日間全く手つかずというケースはあまりないかもしれません。しかし海外を行ったり来たり、また生活の拠点がベトナム以外にある人にとっては90日間口座の利用が全くないというケースは普通にあるかと思います。実際私も日本に所有している口座で90日間全く使用していないものもあります。

 

今回のこの案はあくまで「不正利用されないためのセキュリティの観点から」という意味合いが強いですが、実施となると不便に感じる層も一定の割合でいるような気がします。例えば、「ベトナムで生活していたけど帰任することになった、でも今後もベトナムへは頻繁に出張で来るから、とりあえず口座の中に一定のお金は残しておこう」と考える場合、今回の草案が今後どのように実施されていくのか、頭の片隅に置いておいた方がいいかと思います。

 

 

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