ベトナムの農業に投資する日系企業の動向〔2015年10月〕

ここ数年、ベトナムの農業に対する日本の興味が高まっています。日本の投資に対してベトナム政府がいろいろな政策を設けているからです。

在日本ベトナム大使館大臣参事官グエン・チュン・ズン氏によると、2014年3月の日越首脳会議を皮切りに様々な日系企業がベトナムに来て、ベトナム農業に投資する機会を探しているとの事です。この兆しは両国政府のみならず日系企業もベトナム農業に関心を持っている証拠です。

三井物産ベトナムは、ベトナム北部ハーナム省を農業投資に理想的な場所だと考えています。ハーナム省で日本の苗、肥料、農薬を使用し、安全な稲を植える予定とのことです。同社の社長は「この方法によって、稲の質量を増やし収穫効率を上げる事ができ、同じ面積でも農民の所得向上が期待できる」と言いました。

中央経済管理・研究院副院長ヴォ・トライ・タン氏は農業の発展は経済の発展に重要な役割を担っているだけでなく、農作物に対するベトナム人の観念・要求の変化を起こしていると分析しています。値段が高くても品質のいい農作物を買い求めるようになりました。

それに、ベトナムの農業に投資するのは日本にもメリットがあります。現在日本の農業従事者は労働人口の3%しかおらず、多くは60歳以上の高齢者です。日本の農業をベトナムで展開する事により、新たな収益を確保する期待が持てます。農業にいい自然条件・土地条件と、農業を生業とする若年層が多い点は日本にとって理想的な投資先といえます。農業企画設計院の統計によると、ベトナムには栽培可能農地は700万ヘクタールでその内300万ヘクタールが肥沃な土地です。

ベトナムの農業・農村開発事務局長博士グエン・トライ・ゴック氏によると、ベトナム政府は農家に対して多数の政策を行っています。例えば、899決定書には農業再編として、小規模から大規模農地にチェンジし、作業の機械化を勧めています。210決定書は農地や水面積の借金を下げることで、企業の資金支援を奨励しています。このような政策が投資機会を増やしていると評価されています。

2014年6月にハノイで日越両政府と関係機関、日系企業とで開催された農業協力会談では、北部のハノイ市・ゲアン省・南部のラムドン省・ホーチミン市とメコンデルタを農業開発場所として選びました。その中のラムドン省は温暖な気候と、適切な土壌条件を持ち、高品質な農産物を栽培することができると評価されます。その証拠にラムドン省は農業を主力経済としており、ラムドン省から海外輸出される製品の75%以上が農作物です。

2015年4月、日系グループのShowa Denkoが北部ハーナム省に、きれいな野菜を栽培する工場へ100万ドル投資しました。この工場にはLedライトを適用し、野菜の成長速度を普通の栽培方法より2.5倍を上げます。投資家が2015年末にこのモデルを全国に広げて、ラムドン省のきれいで安全な野菜をアジアへ供給したいと考えています。その上、2015年6月に在ベトナム日本国大使館公使が代表する日系企業団体がハーナム省に農業連携機械を探しに来ました。これからもハーナム省の農業を広げて発展を促進する予定です。

 

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