【コラム】AEC発足に合わせておさらいしたい、アセアン関連の経済英略語〔2016年4月〕

アセアン各国首脳は、2020年までに「アセアン共同体」の設立を目指しています。これまでのアセアンよりも政治・安全保障、経済、社会・文化の3本柱をより強固な関係にしていく取り決めです。

3本柱の中で最も重要視されている「経済」の取り決めについて、2015年12月31日付けでAEC(アセアン経済共同体/ASEAN Economic Community)が始動しました。90年代初頭から、アセアン加盟国内では関税の引き下げを段階的に行っていましたが、AECが始まることで物・金・人・サービスの動きが本格的に自由化されます。

AEC始動のニュースを見聞きする際、一緒に語れることの多いFTA、EPA、TPPの経済英略語は意味や関係性など分かりにくいですね。そんな時は日本語訳と英語の正式名称を並列すると理解しやすくなります。

 

 

– FTA(自由貿易協定/Free Trade Agreement):

2国間(もしくは地域)が関税、輸入割当などの貿易制限を撤廃・削減する協定。

 

– EPA(経済連携協定/Economic Partnership Agreement):

上記のFTAに加え、投資や人の移動、知的財産の保護や競争政策のルール作りなど、2国間の経済関係の整備・強化を目的とした協定。

※日本外務省の定義では2国間とは限定せず、”特定の国や地域との間で”と説明されていますが、実際は主に2国間で締結されています。また日本は、FTAよりも取り決め内容が多いEPAを推進しています。

 

– TPP(環太平洋連携協定/Trans-Pacific Partnership):

FTAやEPAのように2国間だけではなく、太平洋に面する複数国で結ぶ貿易協定。2006年に4ヶ国で始まり、現在は日本を含め12ヶ国が参加しています。アセアン加盟国内では4ヶ国(ブルネイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム)が参加しています。

 

アセアン加盟国内での貿易自由化・経済協定はAEC、アメリカや日本も含む太平洋地域全域での貿易自由化はTPPという事になります。

 

 

出典:日本外務省、経済産業省