ASEAN11ヶ国の人件費調査 〔2015年7月〕
昨年7月のVIETNAM NEWSでご紹介した、JETROのASEAN11ヶ国(※)人件費調査。
2014年の統計が発表されましたので、最新版をまとめました。
・2016年(最新)のデータはこちらから確認できます⇒ASEAN+2の人件費調査〔2017年9月〕
・2014年のデータはこちらから確認できます⇒ ASEAN11ヶ国の人件費調査 〔2014年7月〕
(※ベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマー、マレーシア、フィリピン、インド、タイ、インドネシア、中国、シンガポールの各首都)
シンガポールは全ての職種において断トツで高給であり、調査対象の5職種平均月給は2,990ドルで、他10ヶ国の5職種平均月給の5.2倍となりました。
ベトナム計画投資部・海外投資局によると、ここ10年で、日本からASEANへの直接投資(FDI)は10倍になり、2013年には230億ドルを超えました。現地でビジネスする上で避けられない人件費も各国で事情が様々なようです。
(図表1-5:2014年度JETRO調査。通貨はUSD)
図1
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11ヶ国の平均月給は390ドル、ベトナム人ワーカーの月給は173ドルで11ヶ国中8位となっており、中国と比べ1/3程度の人件費です。
図2
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11ヶ国の平均月給は727ドル。エンジニア職では、マレーシアと中国が900ドル強で、インドネシア、ベトナム、ミャンマー、フィリピンが400ドル前後で拮抗しています。
図3
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11ヶ国の平均月給は1460ドル、製造業の管理職ではベトナム人の月給は859ドルで11ヶ国中9位です。シンガポールの1/5、インドの半分に相当します。ベトナム人管理職の人件費は他国より低くなっています。
図4
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11ヶ国の平均月給は736ドル。ベトナムでの非製造業スタッフの平均月給は441ドルシンガポールの1/7、中国の1/2となります。
図5
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11ヶ国の平均月給は1,698ドル。非製造業の管理職はインドを除く10ヶ国で、製造業の管理者より月給が高いです。最も差が大きかったのはラオスで、1,000ドルを超える結果が出ています。
上記5職種の平均値により、11ヶ国をランキングすると、1位はシンガポール、2位は中国、その後はマレーシア、インド、タイ、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジアとなります。ベトナムは8位で、ASEANの中でも人件費が安い部類に入ります。
VnExpressによると、某日系OA機器メーカーは、ASEAN展開に向けベトナム北部ハイフォン省に同社最大規模の生産拠点を建設したそうです。同社がベトナムを選んだ理由は、人件費の安さと政府からの優遇政策が充実していた点だと伝えています。
また、某日系産業機器メーカーもハイフォンに3,400万ドル規模の工場を建設し、2015年から稼働が始まりました。同社の社長によると、ベトナムは人件費の安さも魅力だが、勤勉で能力の高い人材が多い点も優れているとのことです。